今回、採り上げるのは
銀閣寺です。
ではでは、銀閣寺の歴史をご紹介。
銀閣寺は正式名称を慈照寺と言います。銀閣寺を作ったのは、室町幕府八代将軍の足利義政であり、彼は金閣寺を作った室町幕府三代将軍足利義満の孫です。
写真の観音殿、通称銀閣が特に有名ですが、銀閣寺という呼称の由来は諸説あると言われています。
建立は室町時代ですが、銀閣寺という呼称が出来たのは江戸時代だそうです。
説としては
・当初観音殿に銀箔を張り巡らせる計画でしたが、幕府の財政難により計画が頓挫した説
・銀箔を張り巡らせる前に、義政は亡くなったため計画が頓挫した説
・外側に施された漆塗が日光の加減で銀色に輝いているように見えたという説
・銀箔が張り巡らされていたが剥がれ落ちてしまった説(後の調査により、銀箔を張り巡らされたことは一度もないと判明)
などがあります。
では、銀閣寺の英訳を見てみます。
銀閣寺のリフレットです。
金閣寺のリフレットと同様に、一冊のリフレット内に日本語と英語の二言語の解説を記載しています。
このリフレットによると、銀閣寺の英訳は
Ginkakuji Temple
となっています。
このような観光客向けの媒体において、固有名詞をローマ字化するという英訳方法は、おそらく今最もポピュラーな英訳方法であるといえるでしょう。(唯一無二の英訳方法と考えている人も多いかもしれませんね。)
金閣寺と銀閣寺、二つの寺院のリフレットを見比べてみると
金閣(舎利殿)はShariden (Kinkaku / The Golden Pavilion)
銀閣(観音殿)はKannon-den (Ginkaku)
という英訳になっていました。
実際に金色をしている金閣と、銀色ではない銀閣
Goldenを用いられる金閣と、Silveryを用いることが出来ない銀閣
よく対比して採り上げられる金閣と銀閣ですが、この二つの英訳方法は大きく異なるのがわかりまます。
では、英語で京都の寺院を紹介した書籍ではどうでしょうか?
①:Ginkakuji, the temple of the Silver Pavilion
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銀閣寺です。
ではでは、銀閣寺の歴史をご紹介。
銀閣寺は正式名称を慈照寺と言います。銀閣寺を作ったのは、室町幕府八代将軍の足利義政であり、彼は金閣寺を作った室町幕府三代将軍足利義満の孫です。
写真の観音殿、通称銀閣が特に有名ですが、銀閣寺という呼称の由来は諸説あると言われています。
建立は室町時代ですが、銀閣寺という呼称が出来たのは江戸時代だそうです。
説としては
・当初観音殿に銀箔を張り巡らせる計画でしたが、幕府の財政難により計画が頓挫した説
・銀箔を張り巡らせる前に、義政は亡くなったため計画が頓挫した説
・外側に施された漆塗が日光の加減で銀色に輝いているように見えたという説
・銀箔が張り巡らされていたが剥がれ落ちてしまった説(後の調査により、銀箔を張り巡らされたことは一度もないと判明)
などがあります。
銀閣寺の銀閣が銀色ではないのは有名ですが、海外の観光客はその事実にショックを受ける人も多いとか...。
しかし、あくまでこの銀閣が表すのは、侘び寂びという質素さを美とした、日本特有の文化です。
政治から身を引いた風流人足利義政の美的センスを予測すれば、銀箔を張り巡らせるという計画自体、あったのかどうか...。
では、銀閣寺の英訳を見てみます。
銀閣寺のリフレットです。
金閣寺のリフレットと同様に、一冊のリフレット内に日本語と英語の二言語の解説を記載しています。
このリフレットによると、銀閣寺の英訳は
Ginkakuji Temple
となっています。
このような観光客向けの媒体において、固有名詞をローマ字化するという英訳方法は、おそらく今最もポピュラーな英訳方法であるといえるでしょう。(唯一無二の英訳方法と考えている人も多いかもしれませんね。)
金閣寺と銀閣寺、二つの寺院のリフレットを見比べてみると
金閣(舎利殿)はShariden (Kinkaku / The Golden Pavilion)
銀閣(観音殿)はKannon-den (Ginkaku)
という英訳になっていました。
実際に金色をしている金閣と、銀色ではない銀閣
Goldenを用いられる金閣と、Silveryを用いることが出来ない銀閣
よく対比して採り上げられる金閣と銀閣ですが、この二つの英訳方法は大きく異なるのがわかりまます。
では、英語で京都の寺院を紹介した書籍ではどうでしょうか?
①:Ginkakuji, the temple of the Silver Pavilion
(アダム・フルフォード英文作成 『英語で京都を案内できますか?』 2011年)
②:Ginkaku Temple
(広瀬 直子著 『1分間英語で京都を案内する』 2014年)
③:Ginkaku-ji
(槇野 修著 『対訳 寺社を歩けば京都がわかる』 2010年)
④:Ginkaku-ji Temple(Silver Pavilion)
(マーティン・ピディントン&ステュワート・ワックス監修 『気軽に英語でおもてなしin Kyoto』
2008年)
⑤:Temple of Silver Pavilion
(伊藤 通子著 澤井 雅子英訳 『英語で伝える日本』 2006年)
計5冊の書籍における銀閣寺の英訳を採り上げました。
Silver Pavilion が使われてますね(・・;)
Silver Pavilionを用いている3冊においては、銀閣が実際には銀箔で覆われていない点、銀色をしていない点は必ず解説されていました。
その点を解説せずに銀閣をSilver Pavilionと英訳するのは、誤解を生む可能性が高いと考えられますね。
難しいところではありますが、実際に銀色をしていないのなら、Temple of the Silver Pavilionなんて誤解するような英訳をするな!という意見も十分頷けるものです。
前記事で紹介した金閣寺境内内の鯉魚石・龍門滝や夕佳亭の英訳のように、その漢字に充てる英単語を繋ぎ合わせて複合語を作ることで英訳する方法と解釈できますが
銀閣の英訳にSilver Pavilionを用いるべきか否かという点は本当に難しい...。
今研究されている翻訳論では、解決出来ない問題ではないでしょうか?
では、次は新しく、英語で日本を紹介したウェブサイトにおける英訳を採り上げたいと思います。
主に日本へ観光に来る海外の観光客向けに運営されているウェブサイトを採り上げ、銀閣寺をどう英訳しているか、つまり、銀閣をSilverを用いて英訳しているかどうかを見てみたいと思います。
⑥:Ginkakuji (Silver Pavilion)
⑦:Ginkaku-ji Temple (The Silver Pavilion)
⑧:Ginkaku-ji
⑨:Ginkaku-ji
(Rough Guides→FIND OUT MORE 欄内)
⑩:Ginkaku-ji Temple
(TripAdvisor (日本語でも閲覧出来るウェブサイトです) )
計5つのウェブサイトにおける銀閣寺の英訳を採り上げてみました。
Silver Pavilion という英訳も用いられているところが多いですが、やはり銀閣は銀色ではないという点は説明されているところが多かったです。
最後⑩のTripAdvisorでは、銀閣寺が銀色でないことにガッカリしている海外の観光客もいる中で、銀閣寺の表す侘び寂びを称賛するレヴューも見受けられました。
日本特有の美を感じてもらい、喜んでもらえるというのは、関係者でなくとも嬉しいものですね。
⑥と⑦は、数多くある英語の観光者向けウェブサイトの中でも、行先を日本に限定したものであり、その他は、世界中のありとあらゆる地域を取り扱っています。
この⑥と⑦だけ、Silver Pavilionという英訳を大きく表示していました。
これらウェブサイトには銀閣寺の英訳と観音殿の写真も掲載しているところが多く、Silver Pavilionと大きく目立たせれば、Silverという語とSilverじゃない観音殿の写真とで、観光客の混乱してしまう可能性を危惧した......というのは少々的外れでしょうかね?
銀閣寺の英訳にSilver Pavilionという語を用いるならば、銀閣が実際は銀色ではないという点を、別途説明しなければならない。
と最後にまとめたいと思います。
おまけ
銀閣寺の御朱印をもらう場所にあった立て看板です。
この二つの看板は隣り合っているのですが...
If you have a Shuincho stamp book, please hand it in prior to entry.
If you have a red seal book, Please submit it before visit.
……何故、英語表記を統一しないのか。(笑)
こんなに傍にあっても英語が統一されていない日本の言語景観は奇妙ですね。(言語景観については、追々採り上げていきたいと思います。)
それでは、お読みいただきありがとうございました。m(_ _)m
Good English, Good Japan
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