2015/09/22

札幌・函館の神社の英訳(1) -北海道-

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だいぶ期間が空いてしまいました...。

9月は色々と用事が詰まってましたが、一昨日で少し一段落付いたので更新したいと思います。

9月の1日、2日、3日の2泊3日の旅程で、北海道の札幌と函館に行ってきました。

初北海道+初一人旅+初一人飛行機と、初物尽くしでしたがとても充実した旅行でした。

もちろん、北海道の神社にも参拝してきました。


まずは


  


札幌市にある北海道神宮です。



札幌市の円山公園内にある大きな神社です。

では、北海道神宮の歴史を...


北海道神宮は、北海道の開拓・経営を守護するために、明治天皇の思し召しによって
北海道の地に祀られ、その発展とともに北海道総鎮守として人々に崇敬され、今日に至っています。
(引用:北海道神宮リフレット)


今でこそ観光地として有名な札幌市ですが、日本の長い歴史において、明治に開拓が進められている北海道自体が歴史的に新しい都道府県だといえます。


では、英訳を見てみますと... 


左側が英語版リフレット、右側が日本語版リフレットです。

北海道神宮のリフレットでは Hokkaido Jingu Shinto Shrine と英訳されていました。

このブログでは初めて神社を材料として採り上げましたが、初めての神社の英訳例でこのような面白い例を採り上げることができて良かったです(笑)。

神宮っていうのは、英語でShinto Shrine という英訳を充てていますが

...Shrine だけではなく Shinto(神道) を付けた理由はなんでしょうかね?

神社=神道の建物 と画一化してはいけないということですかね...?

北海道神宮に祀られている神様は

・大国魂神(おおくにたまのかみ)・・・北海道の国土の神
・大那牟遅神(おおなむちのかみ)・・・国土経営・開拓の神
・少彦名神(すくなひこのかみ)・・・国土経営・医療・酒造の神
・明治天皇・・・近代日本の礎を築かれた第百二十二代の天皇

以上、四柱(神様は柱<はしら>という字を用いて、一柱・二柱...と数えるそうです。)をお祀りしているそうです。

Shinto をわざわざ英訳に用いた理由はここではわかりませんが、何か意図があるように感じますね。


では、次は... 




函館市にあります函館八幡宮です。

余談ですが、函館八幡宮に参拝した時、参拝客は私一人でした...。(笑)

札幌の北海道神宮は多くの参拝客が来られていたんですがね。

北海道に神社参拝のために来る人っていうのは少ないのでしょうかね。

函館八幡宮例大祭は、函館の夏の風物詩だそうで、賑わっている画像も多く見受けられるんですが、時期が少しでも違うと参拝客一人いない状態になってしまうようですし...。

どちらかと言えば、地域住民に愛されている神社なのでしょうね。

事実、ここ函館八幡宮では観光客用のリフレットはない様子でした。

そこで、周辺の案内標識や案内看板から函館八幡宮の英訳を見ていきたいと思います。








まずは一言...



碧血碑の英訳、長過ぎるやろ。(笑)

少しだけ碧血碑についても触れておくと...

碧血碑(へきけつひ)は戊辰戦争、特に函館戦争における旧幕府軍の戦死者を記念する慰霊碑であり、土方歳三などをはじめとする約800人の戦死者を弔っています。
碧血とは、忠義を貫いて死んだ者の流した血は、三年経てば地中で宝石の碧玉と化す、という中国の伝説にちなんでいます。
(参考:Wikipedia)


したがって、碧血碑というのは厳密に言えば固有名詞ではないようですね。

ただ、碧血という言葉は中国の伝説にちなんだ言葉であるので、その言葉の成り立ち、経緯を知らない人は碧血碑を固有名詞として認識しているのではないでしょうか。

英訳、というより英語での解説に近いと思いますが、
Monument To The Dead Of Retainers Of Tokugawa Shogunate
という英語が充てられていました。 

碧血碑という言葉を用いず、この英語を和訳すると
「徳川将軍期(江戸幕府、徳川幕府)の家臣達の死を弔う記念碑」
といったところでしょうか。

この英語に一発で碧血碑という日本語を充てるのは、そう簡単にできることではありません。

日本史だけでなく、中国の伝説に対しても知識を持っていないとできませんね。



話を戻して、函館八幡宮の英訳ですが、一目見ただけでも混在していることがわかります。

これらの写真を撮影している時、心の中で「いい材料やな~。」と笑ってました。


函館八幡宮の歴史は...

室町時代の1445年に、亀田郡の領主・河野政通が初めて函館に館を築いた折、館内に八幡神を
祀ったのが起源とされ、現在地には1880年(明治13年)に移りました。
開拓、航海、漁業の守り神とされ、市民からは「八幡さん」の愛称で親しまれています。初詣には毎年たくさんの人が訪れます。


京都の八坂神社や平安神宮とは違い、ある時期には非常に賑わうという地域市民密着型神社(こんな言葉はないかもしれませんが...)みたいですね。

 英訳を見ていきますと

函館八幡宮の英訳は

・Hakodate Hachimangu Shinto Shrine
・Hakodate Hachimangu Shrine
・Hakodate Hachiman Shrine


函館を Hakodate とローマ字化するのは共通していますが、問題は八幡宮(はちまんぐう)の英訳ですね。

 ポイントとしては
八幡宮という言葉をどう区切るか、どう認識するか
ここですね。


八幡宮とは...
八幡神を祭神とする神社のこと。八幡神とは、清和源氏・桓武平氏など全国の武家から武運の神(武神)「弓矢八幡」として崇敬を集める日本の神のことであり、応神天皇と同一とされる。


と、あります。

つまり、厳密に言えば、八幡=神様の名前、固有名詞であり、社を意味する宮は普通名詞ということとなります。 

上で書きましたが
・「八幡さん」という八幡宮の愛称の存在。つまり、八幡という語が固有名詞であることを認識している点
・「八幡」という神様の名前と宮という普通名詞で構成されている点

この二点を鑑みると、Hachiman Shrine という英訳におかしな点はないといえます。

しかし、英語しかわからない観光客にとって、八幡宮に Hachiman Shrine、もしくは Hachimangu Shrine 、どちらの英訳が用いられていても、Hachiman という語がわからないという点に差はありません。

大事なのは、八幡宮=神社 であるということを確実に明記することだと私は思います。

極端な話ではありますが、函館八幡宮をHakodate Shrine と英訳しても問題ない、むしろ、Hachiman という固有名詞部分を取っ払っているので、外国人観光客がより理解しやすい英訳となるとも考えられるのではないでしょうか。

ただ、これは外国人観光客にとってわかりやすい英訳という点を重視した英訳なので、日本人にとっては少々抵抗感のある英訳かもしれませんね。



北海道については、もう少しネタがあるので、次回の記事で書きたいと思います。

次回といっても、この記事を公開したら、すぐに執りかかりますが(笑)


では、ここまで読んでいただきありがとうございました。


Good English, Good Japan
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