白峯神宮の英訳 －京都府－

Kyo-Boyです。

今回採り上げますのは……

前記事の晴明神社のほど近くにあります 白峯神宮 です。

こちら白峯神宮は、晴明神社から歩いて10分かからずの所に鎮座しています。

晴明神社は名高い安倍晴明を祀り、パワースポットとして人気を集める神社です。

しかし、白峯神宮もまた京都には二つとないユニークな神社です。

ここ白峯神宮は……

蹴鞠に縁のある神社、そこに肖って、球技上達にご利益のある神社です。

蹴鞠との関係を知る為に、まずは白峯神宮の由緒を見てみたいと思います。


幕末、風雲急を告げる中、121代孝明天皇は、保元の乱（1156）によって悲運の運命を辿られた第75代崇徳天皇の御霊を慰め、かつ未曾有の国難にご加護を祈らうとされ、幕府に御下命になり四国・坂出の「白峰山陵」から京都にお迎えして、これを祀らうとされましたが叶わぬままに崩御されました。
明治天皇は父帝の御遺志を継承・心願成就され、宮地を和歌・蹴鞠の公卿宗家「飛鳥井家」の邸宅地跡に求められ、慶応4年（明治元年）9月6日、社殿を現在地に新造。奉迎鎮座されました。続いて明治6年に第47代淳仁天皇の御神霊を淡路島南端の御陵からお移して、御併祀になりました。
当初は神祇官員が日々ご奉仕しましたが、明治の新制度により官幣中社としての待遇をうけ、昭和十五年には官幣大社に御昇格・「 白峯神宮 」となりました。
また、当神宮には「まり」の守護神として「精大明神」が祀られています。「精大明神」は蹴鞠・和歌の宗家である公卿・飛鳥井家が代々守護神として邸内にお祀りしてきたもので、当神宮がその祭祀を受け継いでおります。
そのために、今では「まりの神様」として崇敬され、日本サッカー協会をはじめ各種スポーツにおいて、使用された公式球が奉納されています。御神徳を仰ぎ、野球・サッカーを始めとする球技や新体操、また日々の習い事に至るまでの目的の上達を願う参拝者が多く訪れます。
けまりは、ボールを落とさない事・落ちない事から、勉学の神 白峯天神様のご利益が学力を落とさない・試験に落ちないなどと縁起が良いとされています。
春秋の修学旅行シーズンには、新人戦や大会に向け御祭神の御神徳を頂こうと学生達の参拝が多く、目的の上達を願い全国唯一の「闘魂守」を授かって、日々の練習の成果を発揮して頂いています。また、蹴鞠保存会100周年記念に建立されました「蹴鞠碑」前での記念撮影や、全国唯一の「闘魂守」を授与しています。

(引用:白峯神宮ホームページ)

ここ白峯神宮は蹴鞠の宗家である飛鳥井家の邸宅跡に建立されました。

その飛鳥井家は蹴鞠の神様である「精大明神」を代々祀り、白峯神宮はそれを引き継いでいます。

そこからサッカー、次いで球技各種、まだまだ広がりスポーツ全般上達へとご利益が広がっていきました。

……余談ですが、私は球技全般てんでダメダメです(笑)。

2002年の日韓ワールドカップに際して、日本代表の選手がここへ勝利祈願に参拝されたことで注目を浴びました。

実際にスポーツをされている方だけでなく、サッカーファンの方も是非訪れていただきたい神社です。

ちなみに……

普段よく目にする拝殿で鳴らす鈴が、ここでは釣られておらず、持ち上げて鳴らすというユニークな参拝方法です。

写真は軽い鈴で、この左隣に重い鈴もありました。

……本来なら、ここで英語翻訳の方に入っていくところですが、実はここ白峯神宮は少し怖い話があります。

白峯神宮の祭神は崇徳天皇、淳仁天皇です。

※蹴鞠の神様の精大明神は、白峯神宮境内の地主社に祀られています。

この祭神崇徳天皇は、日本随一の怨霊として知られています。

平安時代末の元永2年（1119）に鳥羽天皇の皇子として御降誕になりました。保安4年（1123）に第75代の天皇に御即位あそばされましたが、保元の乱（1156）に遭われて讃岐国へ配流遷奉され、同国に在られること8年の長寛2年（1164）8月に、45歳の聖寿を以って崩御なさいまして、その地の白峯山陵に奉葬されました。
天皇は御幼少時より和歌・管絃の道に秀でられ、王朝文化の進展に大きく御貢献、数多の名歌をお詠みになり、殊に小倉百人一首の｢瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ｣は有名であります。
しかし、皇子重仁親王を皇位に推す叡慮も実現せず、かえって保元の乱の災いによって僻陬の地に御配流の躬となられ、都への還幸を望まれつつ御非運の生涯であられました。「保元物語」や能の「松山天狗」などによれば、御無念の様子を偲んであまりあるものがあります。

(引用:白峯神宮ホームページ)

白峯神宮のホームページの記載だけ読みますと、いわゆる戦(政に負けたとも言えるでしょうか)に敗れて、流されてしまった悲運の天皇という理解になりますが、崇徳天皇の話は彼の死後も続きます。

崇徳天皇が崩御された後、都では天災、公家貴族の謎の死等、様々な不運に見舞われます。

この時、当時の人々が考えるのが……「崇徳天皇の怨念、祟り」でした。

この崇徳天皇の祟りを鎮める為に彼を祭神として祀ったのが白峯神宮です。

(参考:wikipedia)

ちなみに、京都でも大人気観光地である祗園、しかも芸舞妓さん達の活動されているすぐ近くには、崇徳天皇の御廟、いわゆるお墓があります。

ある人物が亡くなり、その後に都に災いが降りかかることは、こう言ってはアレですが…よくある話ではあります。

今日の京都と怨霊というのは、切っても切り離せない関係です。

今や日本中で学問の神様として崇められるようになった菅原道真は、死後怨霊となり都に災いをもたらし、それを鎮める為に神様として祀られるようになった人物の代表格です。

この怨霊を神様として祀り、鎮めることで、怨霊は御霊(ごりょう)となります。

京都を代表する祭りの一つである祇園祭も、始まりは災いをもたらす怨霊を鎮める為の祭りでした。

さて、話が長くなってしまいました。

8月も終わって怪談話の季節はまた来年、ということで、ここから英語表記を採り上げていこうと思います。

①：Shiramine-jingu Shrine

(マーティン・ピディントン＆ステュワート・ワックス監修

 『気軽に英語でおもてなしin KYOTO』 2008年)

ここ白峯神宮も晴明神社同様、あまり書籍では英語表記されていませんでした。

続きまして、WEBサイト上での英語表記です。

②：SHIRAMINE JINGU-Shrine

(白峯神宮ホームページ英語版)

③：Shiramine Jingu Shrine

　　Shiramine Shrine

(Japan Visitor)

④：Shiramine Jingu Shrine

(きょうとあす Today, KYOTO, Tomorrow)

⑤：Shiramine Jingu

(Kansai Odyssey)

WEBサイト上でも、英語表記はあまり多く見受けられませんでした。

サッカーは万国共通ですので、もっと紹介すれば海外の参拝者の方は増えると思いますね。

では、標識、看板はどうでしょうか。

本ブログでいくつか目にしていますが、全て大文字表記するのは何か意図があってのことなのでしょうかね？

中高大と英語に触れていると、全て大文字というのは違和感があると思うんですが、英語話者、いわゆるネイティブスピーカーの方々にとってはどうなんでしょうか……疑問の残るところです。




Shiramine-jingu Shrine is very near from Seimei-jinja Shrine, no more than 10 minutes on foot.
In this shrine, the god of Japanese traditional soccer "kemari" is enshrined.
So many ball game athletes, especially soccer players visit here to wish to win the competitions.
Of course, many soccer fans visit here and see many dedicated balls.

Moreover, the Emperor Sutoku is enshrined in Shiramine-jingu Shrine.
He defeated in the Battle of Hogen and was banished to the Shikoku.
After his death, Kyoto was disordered and people in Kyoto thought that the reason that Kyoto had been disordered was the Emperor Sutoku's curse.
Then, the Emperor Sutoku was enshrined to stop the disordering in Kyoto in this shrine.



なかなか面白い由来を持つ神社ですので、是非訪れていただきたい一社です。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。  

－Good English, Good Japan－

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