今回の記事は……
京都、嵐山にあります 松尾大社 です。
画像2枚目は楼門、3枚目は本殿です。
京都駅前のバス乗り場は、京都の有名観光地なら大抵繋がっています。
もちろんこの松尾大社もそうなのですが、乗車時間は約40~50分で、道路状況によっては1時間程度バスに揺られることとなります。
じゃあ京都駅から電車で行こうとすると、地下鉄・阪急と乗り換えがあり、メジャーな八坂神社や伏見稲荷大社に比べると、あまりアクセスは良くないといえるかもしれません。(もっと交通の便が悪い神社仏閣はありますが…。)
しかし、ここはなかなかユニークな神社です。
ここ松尾大社は亀と鯉に縁のある神社です。
松尾大社の歴史を見てみますと……
京都市西部、四条通西端に位置し、東端の八坂神社(祇園社)と対峙して鎮座する。元来は松尾山(標高223メートル)に残る磐座での祭祀に始まるとされ、大宝元年(701年)に文武天皇の勅命を賜わった秦忌寸都理(はたのいみきとり)が勧請して社殿を設けたといわれる。その後も秦氏(はたうじ)により氏神として奉斎され、平安京遷都後は東の賀茂神社(賀茂別雷神社・賀茂御祖神社)とともに「東の厳神、西の猛霊」と並び称され、西の王城鎮護社に位置づけられた。中世以降は酒の神としても信仰され、現在においても醸造家からの信仰の篤い神社である。
境内は、神体の松尾山の麓に位置する。本殿は室町時代の造営で、全国でも類例の少ない両流造であり国の重要文化財に指定されている。また多くの神像を有することでも知られ、男神像2躯・女神像1躯の計3躯が国の重要文化財に、ほか16躯が京都府指定有形文化財に指定されている。そのほか、神使を亀とすることでも知られる。
松尾大社の近くには、お酒の資料館もあります。(当日のスケジュール上、行けませんでした…。)
「松尾」の読みは、公式には「まつのお」であるが、一般には「まつお」とも称されている。文献では『延喜式』金剛寺本、『枕草子』、『太平記』建武2年(1335年)正月16日合戦事条、『御湯殿上日記』明応8年(1499年)条等においていずれも「まつのお/まつのを」と訓が振られており、「の」を入れるのが古くからの読みとされる。
Matsunoo Taisha Shrine, familiarly known as Matsuo-san, is the dominant Shinto shrine in the western part of Kyoto, and serves residents of Nishikyo-ku, Ukyoku, Shimogyo-ku and Minami-ku : about one third of Kyoto's population.
ただ、全く同じ形の漢字が違う読み方をするというのは、外国人観光客だけでなく日本人でも不思議に思うのではないでしょうか。(こちらの記事でも少し触れています→宇治上神社の記事)
そもそも、松尾大社を採り上げている書籍・ウェブサイトが少なかったので、なかなか比較しづらいですが、金閣寺、銀閣寺、東寺のように人々に親しまれている愛称があるのならば、たとえ外国人観光客向けの媒体、英語表記のものであっても、正式名称よりも通称・愛称を第一に英語表記すべきだと思います。
Matsuo Taisha Shrine is located in Arashiyama area in Kyoto.
In Fushimi Inari Taisha Shrine, a fox is known as a sacred animal.
In the case of Matsuo Taisha Shrine, a turtle and a carp are known as a sacred animal.
Moreover, the god of this shrine is worshipped as the god of sake (Japanese liquor) and the ninth picture is a lot of sake casks.
This name "Matsuo Taisha" is the nickname and the formal name is "Matsunoo Taisha", but both names have the same letter kanji(松尾大社), but the different pronunciation.
We normally call this shrine the familiar pronunciation "Matsuo Taisha" and the nearest station of this shrine is Matsuo-taisha Station.
The formal name "Matsunoo Taisha" is old pronunciation of this kanji (松尾大社), but it is used on the guide signboard near the station.
If you know the nickname or the familiar pronunciation, the communication between you and the local people in Kyoto will be done, I think.
You may feel strange, Japanese people don't always know the formal names of temples and shrines.
I think that those who don't know Rokuon-ji, the formal name of Kinkaku-ji Temple, are much more than those who know and call this formal name.
では、今回はここまでにしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次はどこを採り上げましょうかね……。
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京都、嵐山にあります 松尾大社 です。
画像2枚目は楼門、3枚目は本殿です。
京都駅前のバス乗り場は、京都の有名観光地なら大抵繋がっています。
もちろんこの松尾大社もそうなのですが、乗車時間は約40~50分で、道路状況によっては1時間程度バスに揺られることとなります。
じゃあ京都駅から電車で行こうとすると、地下鉄・阪急と乗り換えがあり、メジャーな八坂神社や伏見稲荷大社に比べると、あまりアクセスは良くないといえるかもしれません。(もっと交通の便が悪い神社仏閣はありますが…。)
しかし、ここはなかなかユニークな神社です。
ここ松尾大社は亀と鯉に縁のある神社です。
松尾大社の歴史を見てみますと……
京都市西部、四条通西端に位置し、東端の八坂神社(祇園社)と対峙して鎮座する。元来は松尾山(標高223メートル)に残る磐座での祭祀に始まるとされ、大宝元年(701年)に文武天皇の勅命を賜わった秦忌寸都理(はたのいみきとり)が勧請して社殿を設けたといわれる。その後も秦氏(はたうじ)により氏神として奉斎され、平安京遷都後は東の賀茂神社(賀茂別雷神社・賀茂御祖神社)とともに「東の厳神、西の猛霊」と並び称され、西の王城鎮護社に位置づけられた。中世以降は酒の神としても信仰され、現在においても醸造家からの信仰の篤い神社である。
境内は、神体の松尾山の麓に位置する。本殿は室町時代の造営で、全国でも類例の少ない両流造であり国の重要文化財に指定されている。また多くの神像を有することでも知られ、男神像2躯・女神像1躯の計3躯が国の重要文化財に、ほか16躯が京都府指定有形文化財に指定されている。そのほか、神使を亀とすることでも知られる。
(引用:Wikipedia)
特別、鯉についての記述はありませんでしたが、その代わり、松尾大社は酒、醸造にも縁ある神社と知られています。
沢山積まれた酒樽、今回は写真たっぷりでお送りしております(笑)。
松尾大社の近くには、お酒の資料館もあります。(当日のスケジュール上、行けませんでした…。)
では、本題。
松尾大社の英訳を見てみたいと思います。
ここ松尾大社はいわゆるリフレットのようなものは配布しておられないようでした。(こうは書いていますが、私が見逃している可能性は大いにあります……。ないと思っていた伏見稲荷大社のパンフレットは本当にたまたま稲荷駅で見つけました。)
京都からのアクセスのためか、外国人観光客の数も少なかったと思います。
では、書籍における松尾大社の英訳を見てみたいと思います。
①:Matsuo-taisha
(槇野 修著 『対訳 寺社を歩けば京都がわかる』 2010年)
②:Matsuo Grand Shrine
(ディビッド・A・セイン英文作成 『京都を英語で言ってみる』 2008年)
私の持っている書籍のうち、松尾大社を載せているものはこの2冊のみでした。
大社を Grand Shrine と英訳しているものもありますが、伏見稲荷大社の記事でも採り上げたように、別に大社を Shrine としようが、特別 Grand Shrine としようが、外国人観光客にとってはあまり大きな問題ではないかと思います。
むしろ、Grand Shrine というと、めちゃくちゃ広大な敷地を持った神社のように受け取られるかもしれません。
したがって、Matsuo (Taisha) Shrine という英訳で十分かと思います。
では、次はウェブサイトの英訳です。
③:Matsuo-taisha Shrine
④:Matsuno-o-taisha Shrine
⑤:Matsuo Shrine
こちらも意外と載せているウェブサイトが少なくて少し驚いています。
が、私のお目当ての英訳はありました。
「松尾大社」は果たして、「まつおたいしゃ」なのか、それとも「まつのおたいしゃ」なのか、どちらの読み方が正しいのでしょうか。
松尾大社のWikipediaには、このようにあります。
(引用:松尾大社Wikipedia)
「まつおたいしゃ」と読むのは通称・愛称、「まつのおたいしゃ」と読むのは正式な呼称となっているみたいです。
また、松尾大社の英語版ホームページには
Matsunoo Taisha Shrine, familiarly known as Matsuo-san, is the dominant Shinto shrine in the western part of Kyoto, and serves residents of Nishikyo-ku, Ukyoku, Shimogyo-ku and Minami-ku : about one third of Kyoto's population.
(引用:松尾大社ホームページ<英語版>)
親しみを得ているのは、やはり「まつおたいしゃ」という呼称のようです。
では、ここで久し振りに案内看板、に加えて、駅名の表記を採り上げたいと思います。
1枚目は松尾大社の最寄駅である松尾大社駅にある看板、2、3枚目は駅を出てすぐの所に設置されている案内看板の表記です。
この3枚の画像を比べてみると、駅名は「Matsuo-taisha」なのに神社名は「Matsunoo Taisha Shrine」となっています。
また、分かりにくいかもしれませんが、案内看板の表記は修正された形跡が見て取れます。
修正した理由はいくつか考えられます。
1:「Matsunoo Taisha」であったのを「Matsunoo Taisha Shrine」と直した。(Shrine という語を加えて、外国人観光客が分かりやすい表記にした。)
2:「Matsuo Taisha (Shrine)」であったのを「Matsunoo Taisha (Shrine)」と直した。(「まつのおたいしゃ」という正式な呼称表記にした。)
3:「Matsuo Taisha」であったのを「Matsunoo Taisha Shrine」と直した。(1+2の理由)
個人的には1かなと思っています。
ただ、全く同じ形の漢字が違う読み方をするというのは、外国人観光客だけでなく日本人でも不思議に思うのではないでしょうか。(こちらの記事でも少し触れています→宇治上神社の記事)
そもそも、松尾大社を採り上げている書籍・ウェブサイトが少なかったので、なかなか比較しづらいですが、金閣寺、銀閣寺、東寺のように人々に親しまれている愛称があるのならば、たとえ外国人観光客向けの媒体、英語表記のものであっても、正式名称よりも通称・愛称を第一に英語表記すべきだと思います。
Matsuo Taisha Shrine is located in Arashiyama area in Kyoto.
In Fushimi Inari Taisha Shrine, a fox is known as a sacred animal.
In the case of Matsuo Taisha Shrine, a turtle and a carp are known as a sacred animal.
Moreover, the god of this shrine is worshipped as the god of sake (Japanese liquor) and the ninth picture is a lot of sake casks.
This name "Matsuo Taisha" is the nickname and the formal name is "Matsunoo Taisha", but both names have the same letter kanji(松尾大社), but the different pronunciation.
We normally call this shrine the familiar pronunciation "Matsuo Taisha" and the nearest station of this shrine is Matsuo-taisha Station.
The formal name "Matsunoo Taisha" is old pronunciation of this kanji (松尾大社), but it is used on the guide signboard near the station.
If you know the nickname or the familiar pronunciation, the communication between you and the local people in Kyoto will be done, I think.
You may feel strange, Japanese people don't always know the formal names of temples and shrines.
I think that those who don't know Rokuon-ji, the formal name of Kinkaku-ji Temple, are much more than those who know and call this formal name.
では、今回はここまでにしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
次はどこを採り上げましょうかね……。
ーGood English, Good Japanー
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