2015/11/07

伏見稲荷大社の英訳(1) -京都府-

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今回の記事は







京都市伏見区にあります伏見稲荷大社です。


伏見稲荷大社は日本に数ある稲荷神社の総本山であり、敷地内にある千本鳥居が有名です。




ちなみに...





札幌市にも、大社ではないですが伏見稲荷神社があります。ここは伏見稲荷大社から分祀した神社だそうです。



また、このブログでも少し取り上げたことのあるTripAdvisor というウェブサイトにおいて

2014、2015年の2年連続で外国人に人気の日本の観光スポット1位に選ばれています。



この影響だと思われますが、今日の伏見稲荷大社は国内外問わず、観光客が非常に多く、千本鳥居はなかなか前へ進めない...なんていう状況になっています。


では、伏見稲荷大社の英訳を見ていきたいと思います。


まずは、いつも通り伏見稲荷大社について...

伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)は京都市伏見区にある神社。旧称は稲荷神社。式内社(名神大社)、二十二社(上七社)の一社。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁に属さない単立神社。稲荷山の麓に本殿があり、稲荷山全体を神域とする。
全国に約3万社あるといわれる。稲荷神社の総本社である。初詣では近畿地方の社寺で最多の参拝者を集める(日本国内第4位〔2010年〕)

近年は外国人観光客からも観光地として人気があり、トリップアドバイザーによる2013年の「外国人に人気の日本の観光スポット」調査では2位を、2014年の調査では広島平和記念資料館を抜いて1位を獲得し、2015年も連続で1位となっている。 これは、駅のごく近くに赤い鳥居が続く風景が非常に日本的な上、拝観料不要で閉門時間が無いことも理由であり、稲荷山のお山巡りで欧米人が好むウォーキン グができることも高評価の理由とされる。平日は多くの日で外国人観光客の方が日本人よりも多くなっており、夕暮れのあとも稲荷山に登る外国人が多くなって いる。なお、本殿付近はもちろんライトアップされており、稲荷山への参道も脇道以外は全区間で照明が1晩中点灯されている。
(引用:Wikipedia)


ここは参拝料は無料、閉められる門などもないので24時間自由に出入りができます。

つまり、上でも書いてある通り、人が多い時間帯を避けて訪れることができる神社です。



余談ではありますが、僕の母の実家が伏見稲荷大社のすぐ傍にあり、夜にその傍を通りかかったことは何度もありますが、人が少ない夜の神社というのは気味が悪いです...。

母にも

「キツネに化かされて、帰れへんようになるよ!」

なんて脅されたものです。 

話が脱線しましたが、本題の英訳を見ていきたいと思います。 



上のリフレットは伏見稲荷大社の目の前にあるJR奈良線の稲荷駅に置いてあり、下の案内図は伏見稲荷大社の境内内でもらえます。

この二つの媒体間で、もう英訳の違いが見られますね。


Fushimi Inari Shrine Fushimi Inari Taisha Shrine となっています。


Fushimi Inari Taisha Shrine という英訳における shrine は英訳対象の属するカテゴリーを表す語であり、決して「伏見稲荷大社神社」という不自然な意味ではなく、「伏見稲荷大社という神社」という意味であるのはお分かりいただけるかと思います。


shrine は日本語で神社というのはよく知られていることかと思いますが、大社も shrine でいいのでしょうか?


まず、大社とは...

大社(たいしゃ)とは大きな神社、または平安時代初期の延喜式神名帳に大社として列格される492の神社、または「〜大社」と名乗る神社のこと。かつては単に大社(おおやしろ)といえば一般的には出雲大社(島根県出雲市)のことを指した。 
(引用:Wikipedia)





要するに、大きな神社のことを大社と呼称するそうですが、その点は漢字を見て推測できることかと思います。

では、shrine という語には大小の差異は含まれないのでしょうか?

そこで様々な和英辞典における「大社」の記述を見てみたいと思います。


・〔第一等の格式の神社〕 a grand shrine 
(新和英大辞典)


・〔名高い神社〕  large-scale highly venerated Shinto shrine
(ルミナス和英辞典)



…色々と和英辞典を引いてみたものの、大社を記述している和英辞書は非常に少なかったです...。

「神社」と「大社」の違いは、わざわざ別項目に分けて記述するに値しないものと判断されたのでしょうか...。


同じ神社の格式でも、「神宮」を記述しているものは比較的よく見られたのですが...。

神社仏閣が好き、加えて、大学では英語を学んでいた身である僕としては、この和英辞典の不充実さは悲しいです。

ただ、外国人観光客への解説という面で考えると、外国人観光客にとっちゃ、神社も大社も shrine で十分事足りるのかもしれませんね。

...正直なところ、日本人でも「神社」、「大社」、「神宮」、「天満宮」、「八幡宮」、「大神宮」等々の神社の格式を正確に理解している人は多くないかなと思います。

外観を見るだけじゃ、格式の見分けはつきにくいですからね。



つまり

神社と大社とを明確に区別しなければならない必要性がない以上、神社=shrine で外国人観光客は十分理解できる

と、言えます。

Taisha is a kind of shrine. もしくは、 Taisha is a head shrine. で十分丁寧な説明になるかと思います。



では、書籍における伏見稲荷大社の英訳を見てみたいと思います。


①:Fushimi Inari Shrine
(広瀬 直子著 『1分間英語で京都を案内する』 2014年)


②:Fushimi-Inari-taisha
(槇野 修著 『対訳 寺社を歩けば京都がわかる』 2010年)


③:Fushimi Inari Taisha
(ジョン・モリス英文翻訳 『楽しく歩ける!楽々わかる!英語対訳で旅する京都』
2014年)


④:Fushimi-Inari-taisha Shrine
(マーティン・ピディントン&ステュワート・ワックス監修 『気軽に英語でおもてなしin KYOTO』 
2008年)



採り上げたのは4冊分の例ですが、和英辞典での記述を用いて英訳しているものはありませんでした。

外国人の翻訳家も大社を shrine と英訳しているので、和英辞典の記述が実際の翻訳で用いるには少し冗長であるということがわかるかと思います。


次は、ウェブサイトの英訳を見てみます。


⑤:Fushimi Inari Shrine

⑥:Fushimi  Inari-taisha Shrine


⑦:Fushimi Inari Taisha Shrine

⑧:Fushimi Inari-taisha Grand Shrine



JNTO(Japan National Tourism Organization)、日本政府観光局のウェブサイトだけが、大社をgrand shrine と英訳していましたが、書籍の英訳例と併せて考えてみても、大社を shrine とする英訳方法がメジャーであるとわかります。


神社は細かく種類・格式が分かれている。しかし、この種類・格式の違いを逐一英訳で表現しようとすると、英訳が長く、かえって外国人観光客にとって分かりづらい英訳となる恐れがある。外国人観光客向けの英訳、特にリフレットや英語版案内図等その場で持ち歩くことが考えられる情報媒体においては、冗長な英訳を避け、情報量を制限することも時として必要である


と、まとめたいと思います。

伏見稲荷大社については、もう一つ記事を書こうかと思います。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。






-Good English, Good Japan-


※この記事の文字の配置(左右寄せ、中央寄せ)が少しおかしいです。
参考、引用したウェブサイトは前まで右寄せで表示していたのですが、なぜかこの記事には反映されませんでした。
少々文字配置のバランスが見づらいかもしれませんが、ご容赦をm(_ _)m 
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